ドングリ銀行
おおきな大きな森の外れにドングリの銀行ができました。集めたドングリを預けることができるのです。銀行頭取はジリスです。働いているのは一匹だけですが大事な肩書です。
森のシマリスたちは集めたドングリを預かってもらえると聞いて、大喜びです。シマリスたちは忘れっぽいのでいつも冬ごもりのために集めたドングリをどこに隠したのか忘れてしまうのです。
銀行に預ければそんな心配はありません。銀行に預けたドングリはジリスが責任を持って保管してくれます。
シマリスたちはせっせとドングリを銀行に預けます。
秋ごろになると銀行はドングリであふれんばかりになっていました。
しかしもうすぐ冬ごもりの時期だというのに誰もドングリを取りに来ません。
そのころ忘れっぽいシマリスたちは預けたドングリのことも忘れて冬ごもりの準備に忙しくドングリを集めていました。
いつまでたっても誰も来ないので、仕方なくジリスも冬ごもりの準備を始めます。
冬が過ぎ、春。
雪はすっかり解け、銀行預金のたくさんのドングリが芽吹いています。
森はまた大きくなっていきます。
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