桜をもう少しだけ
「桜、散っちゃったなぁ」
アオガエルが残念そうに言います。
「これでまた一年待たないと桜が見れないよ」
「一年にこの時期だけだからいいんじゃないか」
ヒキガエルがアオガエルをなぐさめます。
「また来年春を楽しみにしようよ」
それでもアオガエルは悲しそうです。
「でももう少しだけで良かったから見ていたかったなぁ」
ヒキガエルはアオガエルがかわいそうになって言いました。
「それなら桜をもう少しだけ見にいくかい?」
ヒキガエルはアオガエルを連れて近くの山に登りに行きました。カエルにはとても大変な山登りです。
ずーっと登っていくと満開の桜が二匹を待っていました。
「このあたりの桜は今が満開なんだ。ヤマガエルが教えてくれたんだ」
「桜がまた見れるなんて夢みたいだ」
二匹は桜をもう少しだけ楽しめそうです。
109/122の小さな作り話
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