あるところに桜並木がありました。
その中に自分のことをずっと桜の木だと思っている木がいました。
ずっと自分は春になったら周りの桜の木と同じように花を咲かせるんだろうと思っていました。
しかし春になって周りの木々が美しい桜の花を咲かせたとき、自分だけが花をつけませんでした。その時その木は初めて自分が桜でないことに気が付きました。
しかし夏の初め、そのシャラの木は絹のような、何よりも美しい色の花を咲かせました。
どの季節に花を咲かせるかというのは木によって違います。夏に花を咲かせるかもしれない、秋に実をつけるかもしれない。それは木によって違います。人間も同じかもしれませんね。
小さな作り話123話目。
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