夜がこなければいいのに-小さな作り話

制作中…

フォークアート「仲良しのカエル」

夜がこなければいいのに

「夜がこなければいいのに」
スズメのひなは親スズメに言いました。

親スズメはひなに聞き返します。
「どうして夜がこない方がいいの？」
「だって夜は暗いし何も見えないし怖いし寒いし」

親スズメはひなに聞きました。
「朝は好きかい？」
「朝は大好き！暖かいし朝の光も気持ちいいもの」
「昼は？」
「昼も大好き。ポカポカすると嬉しくなるんだ」
「夕方は？」
「夕方も好き。夕日を見るとなんだか心がゆっくりになる気がするんだ」

親スズメはひなに言いました。
「そんなに好きな時間があるのに、君は嫌いな夜のことを夜じゃない時間にも考えてる。どうして夜の時間を増やすんだい？」
「…」
ひなは考え込んでしまいました。

ひなは考えながらポカポカしたお日様の下で寝てしまいました。

21/100の作り話。

夜がこなければいいのに