二戦目
太陽に負けた北風は悔しさのあまり太陽にもう一度勝負を持ちかけました。
勝負の内容は先日と同じです。
北風はあらん限りの息を旅人に吹きかけますが、旅人は先日と同じく寒さから必死に上着をおさえてとてもはがせそうにはありません。
北風は息切れをし、このままでは勝敗は火を見るより明らかです。
見かねたつむじ風がそっと旅人に吹きかけます。
「旅人さん、ほんの少しの間でかまいません。上着を脱いでいただけないでしょうか。もしお願いを聞いていただけたなら次の町までずっとそよ風をあなたに吹かせます」
旅人はいぶかしげな顔をしましたが、ちょっと上着を脱ぐだけでいいならと、つむじ風の言う通りにしました。
つむじ風は以前北風に助けられたことがあったのでいつかお返しがしたかったのです。
事情を知らない北風は大喜び。そのあと太陽がさんさんと照らしましたがさわやかなそよ風に吹かれる旅人は上着を脱ぐことはありませんでした。
一勝一敗になった北風と太陽は元通り仲良しになりました。
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