制作中…

2021年2月11日木曜日

制作中…
モグラとトンボ
大雨がしばらく続いたある日のこと。
「やれやれ、ようやく雨があがったな」
モグラは穴から鼻だけ出してあたりの様子をうかがっています。
そこへ友達のトンボが飛んできて来ました。
「おーい、モグラ君、外はとってもキレイな眺めだぜ。穴から出てきて自分で見てみなよ」
モグラが近くしか見えないことを知っていてからかいます。
モグラは言いました。
「外のながめは分からないけど、サルスベリの甘い香りがいっぱいなのは分かるよ。おや、ノリウツギもキレイに咲いてるみたいだね。あ、帰るときに少し西を通るといいよ。シャラの木の香りがするから。一年で1日しか咲かない花だから絶対見たほうがいいよ」
トンボはモグラが親切にしてくれたのでイジワルをした事を恥ずかしく思いました。
トンボは言いました。「外の眺めを教えてあげるよ!」
空にはキレイな虹がかかっていました。
みかんを食べ始めてから食べ終わるまでに考えた話。



プロフィール

 

松原 俊之

 

小さな作り話作家。プロマジシャンでもありフォークアート作家でもあります。

朗読 カエルとチョウ

 

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